テンピュール

ある朝目が覚めると、
枕返しとかいう妖怪に枕をひっくり返されていた。
そんな枕は気持ち悪くて使ってられないので、
新しくテンピュールの枕を買ってきた。

さすがはテンピュールの枕。すごい。
あまりの柔らかさにうっとり。
あの包み込むような形状に顔面を埋めたりしてさらにうっとり。

これで今日はいつも以上にぐっすり眠れると思い、
急いでお風呂を上がってベッドに向かうと
そこに愛しのテンピュール枕は無く、
代わりにおねえぱいにタオルケットを巻いたお姉ちゃんが居た。
あまりの柔らかさにうっとり。
あの包み込むような形状に顔面を埋めたりしてさらにうっとり。

買ったばかりのテンピュール枕は、
弟を奪われるのではと危機感を抱いたお姉ちゃんの手によって窓の外へ放り出され、
暗い寒空の下、無残にも妖怪枕返しに思う存分ひっくり返されまくっていた。
さようなら。テンピュールの枕。

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